2016年9月7日水曜日

犬飼モンクがトリビュートした現代アート8人衆

犬飼モンクが敬愛する往年の現代アートの8巨匠。

彼らに捧げ、そして挑んだ犬飼の「賛画=トリビュート・アート」はいかがでしたか?

称賛する画家に捧げた作品を今回ご紹介しましたが、

画家以外にもジョン・ケージ(John Cage)をはじめ、

多くの現代音楽家やその作品にもインスパイアされてきた犬飼。

そうした音楽にまつわる犬飼アート、おいおいご紹介していこうと思います。


▽現代アート8人の巨匠

Pierre Soulages ピエール・スーラージュ(1919-)
Jackson Pollock ジャクソン・ポロック(1912-1956)
Robert Milton Ernest Rauschenberg ロバート・ラウシェンバーグ(1925-2008)
Piet Mondrian ピエト・モンドリアン(1872-1944)
Willem de Kooning ウィレム・デ・クーニン(1904-1997)
Lucio Fontana ルーチョ・フォンタナ(1899-1968)
Mark Rothko マーク・ロスコ(1903-1970)
Barnett Newman バーネット・ニューマン(1905-1970)


▽賛画~トリビュート・アート作品一覧 Tribute Art

Dedicated to Pierre Soulages(ピエール・スーラージュに捧げる)
Wearing a Pollock(ポロックを纏った)
Dedicated to Jackson Pollock(ジャクソン・ポロックに捧ぐ)
For Robert Rauschenberg(ロバート・ラウシェンバーグのために)
Tears flow was of Pollock(ポロックの流れた涙)「And repeated iteration=繰り返され反復して」
Tribute to Robert Rauschenberg works of white(白のロバート・ラウシェンバーグの作品に捧げる)
Dedicated to Piet Mondrian(ピエト・モンドリアンに捧ぐ)
Dedicated to Willem de Kooning(デ・クーニンに捧げる) 「woman=女」
For Lucio Fontana(ルーチョ・フォンタナのために)「Girl of the sentinels of the railroad crossing=踏切番の少女」
Cheers to Mark Rothko(マーク・ロスコに乾杯)「My mother was beautiful=母は美しかった」
Dedicated to Barnett Newman(バーネット・ニューマンに捧げる)「Honest woman=素直な女」

2016年9月4日日曜日

”賛画”としての系譜~Inukai Art work as Tribute<#08>Barnett Newman

【#08】
Barnett Newman
バーネット・ニューマン

キャンパスを区画割りし彩色した「カラー・フィールド・ペインティング」の第一人者ニューマンは、

「崇高」を命題とし、「形の無いものに感じる高揚感こそ崇高である」と論じた。

目には見えない偉大なる何かに対する畏敬の念を呼び覚まし、想像させ、一体感をもたらすこと、

それが芸術の最大の企みではないだろうか。


素直な女~バーネット・ニューマンに捧げる
Dedicated to Barnett Newman「Honest woman」 (Jly2014)

”賛画”としての系譜~Inukai Art work as Tribute<#07>Mark Rothko

【#07】
Mark Rothko
マーク・ロスコ

「絵を前に涙を流す人は私が描く時に感じたのと同じ宗教的体験をしている」とし、

「自己表現は退屈、自己の外側の無について語りたい」というロスコはまた

「絵を自己表現とは考えない。自分以外の人に向けたコミュニケーションに他ならない」と論じた。

彼の作品には7つの要素があり、それを巧妙に調合し、しかも多くを語りすぎないのが創作のレシピという。

喜怒哀楽…、根源的な感情を観る者と共有するための装置。それが絵・アートなのだ。


母は美しかった~マーク・ロスコに乾杯A (Jly2014)

母は美しかった~マーク・ロスコに乾杯B (Jly2014)























”賛画”としての系譜~Inukai Art work as Tribute<#06>Lucio Fontana

【#06】
Lucio Fontana
ルーチョ・フォンタナ

キャンバスに絵を描かず、刃物で裂け目を入れ、千枚通しで穴を空けるなどの手法で絵画の概念を革新。

瞬間的な「時間と空間の結合」を目論んだフォンタナの「空間主義宣言」。

それは「作品」を見せるのではなく、「行為の痕跡」を見せるのを主題にしたという。

一幅の絵が、観る者に肉体的な知覚(痛み・音・匂い)さえも疑似体験させる。

For Lucio Fontana 踏切番の少女~Lucio Fontana(ルーチョ・フォンタナのために (Sep2013)

”賛画”としての系譜~Inukai Art work as Tribute<#05>Willem de Kooning

【#05】
Willem de Kooning
ウィレム・デ・クーニング

ポロックと共にアクション・ペインティングの第一人者として知られるデ・クーニングは、

「実体とは閃光のような一瞬の出会い…」なる言葉を残す。

代表作「女」シリーズでは荒々しい筆遣いによる肉感的な女性像を描き、

「抽象絵画に新たな肉体性を与えた」と称されるまでに抽象表現主義を突き詰めていった。


女 woman~デ・クーニングに捧げる Dedicated to Willem de Kooning「woman」(Jun2016)

あたかも火の女神の“祈りの舞”を描写したかのような犬飼の「女」。
デ・クーニングの代表作を日本神話の世界観の中に取り込み、チャレンジングにオマージュした作品。



2016年9月2日金曜日

”賛画”としての系譜~Inukai Art work as Tribute<#04>Piet Mondrian

【#04】
Piet Mondrian  
ピエト・モンドリアン

芸術とは「意識的、個別的なものを排除し、世界と自己を結ぶ普遍的なものを抽出する行為である」と定義したモンドリアン.。

自然から普遍的な「美」を抽出した結果、抽象的かつ単純な表現に到達した。


サイエンスが万物の構造や均衡を化学式で顕すように、

アートは、愛憎や功罪、称賛や非難、迷いや想いなどを凝縮し、純化し、可視化する。

そうした行為こそが芸術活動の本質なのだろう。


優しさにモンドリアン~ピエト・モンドリアンに捧ぐ Dedicated to Piet Mondrian (Aug2013)


一見、艶やかで賑やかに見える祭礼にも、相反する清楚で厳かな空気が流れている。
そんな祭りの持つ二つの顔を表裏一体として描いた作品「優しさにモンドリアン」。

”賛画”としての系譜~Inukai Art work as Tribute<#03>Robert Milton Ernest Rauschenberg

【#03】
Robert Milton Ernest Rauschenberg
ロバート・ラウシェンバーグ

「芸術作品をつくるのではなく、芸術と生活の橋渡しをする―」

自作をそう位置付けたラウシェンバーグは日常の様々な生活道具を作中に取り込んだ。

神のような創造活動ではなく、モノ・コト・ヒト・バをつなぎあわせる日常的な人の営みの一つ。

コミュニケーションの一形態がアートなのだ。

ロバート・ラウシェンバーグのために For Robert Rauschenberg (Aug2013)


白のロバート・ラウシェンバーグの作品に捧げる Tribute to Robert Rauschenberg works of white (Aug2013)

2016年9月1日木曜日

”賛画”としての系譜~Inukai Art work as Tribute<#02>Pierre Soulages

現代アートの巨匠たちに捧ぐ💛犬飼モンクの“賛画”シリーズ
Masters of contemporary art Inukai to praise

【#02】
Pierre Soulages 
ピエール・スーラージュ

黒の画家と呼ばれるスーラージュは

「黒の権威が好きだ。妥協しない色、暴力的だが、内化を誘う色だ。

色であり、色でない。光りが当たると、変幻自在に変化する」
と語ったとか。

環境的要素である「光」を浴びて、はじめて作品は絵になる―。

「いかなる状況、心情で絵は見られるのか」、作り手に課せられた永遠のテーマかもしれない。

物理的、心情的なロケーションとあいまって作品は心に刺さるのだから。

ピエール・スーラージュに捧げる <Ⅰ> Dedicated to Pierre Soulages (Jun2015)

ピエール・スーラージュに捧げる<Ⅱ>  Dedicated to Pierre Soulages (Mar2016)

ピエール・スーラージュに捧げる<Ⅲ>   Dedicated to Pierre Soulages (Apr2016)

”賛画”としての系譜~Inukai Art work as Tribute <#01>Jackson Pollock

現代アートの巨匠たちに捧ぐ💛犬飼モンクの“賛画”シリーズ
Masters of contemporary art Inukai to praise

音楽家が称賛する人物に捧げるのは、「トリビュート・ソング=賛歌」。

ならば、現役の画家が往年の巨匠に敬意を表したアート作品は?

ということで、それを「賛画=トリビュート・アート(Tribute Art ) と名付けてみました。

讃えつつも、巨匠たちに挑む犬飼モンクの「賛画」シリーズご覧下さい♪

【#01】
Jackson Pollock 
ジャクソン・ポロック

アクション・ペインティングの旗手ポロックは

「芸術の源泉は無意識にあるという考えに感銘を受けた」

としながらも偶然性を否定。

「結果のイメージは常に持っている」という。

意識と無意識の交わりによって産みだされるもの、自我と無我の狭間を反復しながら育って行くもの、それがアートなのであろう。


ポロックを纏った Wearing a Pollock  (Jly2016)



繰り返され反復して~ポロックの流れた涙  Tears flow was of Pollock (Sep2014)


ポロックよ、お前があのポロックか~ジャクソン・ポロックに捧ぐ Dedicated to Jackson Pollock (Aug2013)